T.Sミネターゼが持っている生態系活性機能を、動植物の飼育栽培に活かす経験を積み重ねるうち、汚染された河川や池沼・湖沼の浄化にも応用できる確信が生まれました。
水を生きた水に変え、自然の生態系を活性化して、結果として本来の自浄能力を回復しようとする発想です。2002年の夏から始めて、2003年12月までに、6件(川4件、池1件、人工滝1件)の事例を積むことができました。
6つの事例に共通していえることは、
いずれも、自然環境回復の期待を抱かせてくれます。
一種類の生物が単独で生育する環境は考えられません。2mを越す巨大魚を水槽で単独飼育する場合でも、ろ過層に生息する微生物の活性化が決め手になります。一般に水が接する境界、際(きわ)、は微生物のコロニーです。難しいことに、水槽では、水が接する境界はガラスや金属であり管理された空気です。そのような無機的な環境では、生態系を活性化することがことさら大切になります。長年の淡水巨大魚飼育で培った水作りの技が求められます。
それに比べ自然の河川では、際(きわ)は、泥濘や土であり自然の大気です。雨もふり、風も吹きます。ガラスや金属などの人工物よりはるかに微生物の生育に適しています。たとえ汚染されていても、水作りの技を発揮する余地は多分に残っていると考えます。
T.Sミネターゼが投入された最初の段階で、水と土・泥濘あるいは水と大気の境界に多く棲息している微生物に刺激を与え、活性化する。そしてそれがその他の生態系活性化を促し、活性化の好循環につながる。このように推測しています。
そうはいっても水槽と自然の川では水量が違います。「大海の一滴」では効果が期待できません。しかし、淡水巨大魚育成で培った水作りの経験から、1ppm前後でも活性化の起爆剤になることが予想できました(自然がどの位残っているかにもよります)。
10ℓのT.Sミネターゼが1ppmに希釈される水量は、幅5m、深さ2m、長さ1Kmの川流域に相当します。かなりの水量です。ただ川の水は常に入れ替わりますから、効果を持続するには継続した取り組みが必要です。