沼津市街を国道414号線で南に抜け、狩野川を渡って2kmほど行くと御用邸記念公園に至ります。そのすぐ手前で小さな川を渡ります。それが塚田川です。全長3km強、駿河湾・沼津港の近くに流入しています。上流に魚の加工業者(干物・煮干)がひしめいています。業者は加工排水の処理を義務づけられていますが、現実は油脂に富んだ排水が後を絶たず、流域住民は生臭い臭いや腐臭に悩まされています。河口から中流域までは干満の影響を受け、干潮時にはヘドロが川床に蓄積しているのが見え、腐臭を発しています。(写真右は中流域から上流を眺めたところ、この先から魚加工業者の排水が流れてくる。)
住民の話では、昔は小さいながらも魚の住むきれいな川だったとのこと。今はコンクリート3面張りの川になっています。流域のいたるところに、「魚の住む塚田川を取り戻そう」という市民団体やボランティアの看板が見受けられ、住民の関心の高さが伺われます。市役所の関係者も効果的な対策を模索しているのが現状です。
ここで、市役所環境課や関係課の協力のもとに、T.Sミネターゼによる浄化の実験を行うことになりました。
今回撒布したT.Sミネターゼの量は一日100ℓと、この川の規模にしてはかなり大量である。それは川岸も川底も、三面コンクリートに覆われ土の部分がないため、生態系の助けを借りた浄化が難しいと判断したためです。今後の対策を考える時、単にT.Sミネターゼを撒布するだけでなく、植生などを付加して積極的に生態系の構築をはかる必要があると考えられます。それによって、T.Sミネターゼの機能がより顕著に活かされたと考えられます。